At first

渡邊研究室では,インターネットを中心としたネットワークの研究を行います.

企業時代の様々な経験から研究室としての方針を以下のように設定しました.

企業における研究・開発活動

企業において新製品を実用化するには,開発作業だけでなく,営業,広報,品質管理,保守,ユーザ対応のシステム構築など様々な付随した活動が必要になります.

これら現場の人々は,我々技術者の開発した製品を一生懸命販売してくれます.この様子を目の当たりにすると技術者の責任の重さがよくわかります.ここで,新製品のアイデアやコンセプトがユーザの要求にそわないと,いかに優れた製品と思っていてもユーザは見向きもしてくれません.

開発作業は製作所の責任で行われますが,その前段階において製品のコンセプトを確立し製作所にイメージを提供するのが企業における研究所の重要な役割です.

企業では決して失敗は許されないので,研究活動も非常に慎重に行われます.

大学における研究活動

それに比べ,大学における研究活動はもう少し冒険ができます.ある課題に対する研究成果が結果的にうまく出なくとも,それは研究者個人の問題であり他の誰にも迷惑をかけることはありません.

仮に研究成果が出なかったとしても,その研究を通して得られた知識は貴重なものであり,後の研究テーマの設定にも役立ちます.

もちろん,よい成果が出ればさらに研究を推し進め,実用化にこぎつけることが可能です.自分の研究成果が実用化される喜びは技術者だけが味わえるものです.大学における研究活動の醍醐味は,このように失敗を恐れずチャレンジできることです.